大勢の仲間とわいわいガヤガヤ、楽しく話して笑っている時にふと感じる違和感。
俺の中にぽっかりと空いた白い世界
そこは色付くこともなく、埋まることもなく
ゆらりと揺れる緑の幻影を握りつぶして、大笑いしたい
薄れていく証をかきむしって いっそ消してしまいたい
温かい空気を感じるたびにじわじわと広がっていく
どこまでも白い、白い世界・・・
いつかその場所を明け渡したとしても
お前はきっと笑っているんだろうな
「おーい、どうした?」
突然回りに音が戻り、見上げればそこにはいつもの酒場で、心配そうにこちらを見ている友人がいた。
「ああ、なんでもないちょっとぼーっとしただけだ」
久しぶりに覗いた場所は相変わらず何もないままだけど、それでもいつかは入りきらないくらいの思いで埋まればいい。
突然振って沸いた考えは頭の中から追い出して、笑顔で会話の輪に戻った。